主人が言った
「俺たちも覚悟しなきゃな」
覚悟って何よ
何の覚悟が必要なのよ
覚悟なんかできるわけない
どうして、どうして
どうして
「いや、今できることをやろう」
私は泣きながら黙っていた
ジョディがわが家に来て
いつも、夜中に帰って来る主人は
ゲージからキュンキュンと鳴くジョディが
可愛くて
ゲージの中で一緒に寝ていた
2ヶ月も
縦長に大きくゲージを作って良かったと思った
長い座布団を引くと
「助かるぅ、楽だ、これ」
と喜んでいた
俺は面倒みないよ、と言っていたくせに
今でも一緒に寝てるよね
体重5㎏で来たジョディは
ドンドン大きくなって
なんでもかじっていた
テーブル、椅子、タンスの角
私は、後を追いかけ回していた
ジョディの歯が生え変わったときに
驚いた
人間と同じだわ
あとは、言葉を話すだけじゃん
主人は笑っていた
その時の歯は今でも大切に保管してある
明日は、初めての抗がん剤の点滴
副作用が心配です
ジョディ
いつまでも一緒だよ